患者さんがイメージする「物理療法」を再構築しよう  その①電流療法のイメージを変えよう

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追記
3/13 「役割分担をする」を追記
3/14 「頂いたご意見を記載していきます」を追記


こんにちは。ライターのハナウエです。

今回は術者目線ではなく、患者さんが思う物理療法機器のイメージを、変えていこう!というメッセージです。

結局、いくら術者側が物理療法機器について詳しくなったところで、それを受ける患者さん側が正しく物理療法機器のイメージを持たない限り、いつまで経っても

電気は効かない

というイメージは払拭できないと思っています。

はっきり言って、今回の記事は読む人が読むと不快になる可能性があります。それは、今まで患者さんに説明してきた物理療法機器のイメージを覆してしまう可能性があるからです。


よって、今回は無料公開部分はほぼありません。ごめんなさい。

代わりに、以前僕が個人的に公開していた「物療と思考」を冒頭に記載します。

リアル物理療法マガジンを読み始めている方でも、まだ読んでいない方も多いかもしれませんので、本題に入る前にイメージを掴んでください。

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物療と思考について

物療は凄いぞ!
物療だったら何でも出来るぞ!

って思っちゃう人。

まぁ、それまでが手のみでやっていたから、それはそれでいいことなのかもしれませんけど、だからといって物療に頼り切るというか、何でもかんでも物療っていうのはちょっと思考がおかしくなってしまいます。


そもそも、なぜそれを使うのかを考えてみましょう。


そもそも必要かどうかも考えて。



【エネルギーの理解と使用法】

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物理療法は様々なエネルギーがあります。

・超音波
・赤外線
・低周波
・微弱電流
・干渉波
・高周波
・衝撃波
・ラジオ波

などなど。そのエネルギーを理解しなければ、

・どこに
・どうやって
・どのぐらい
・どこまで

患者さんに使用するのか?はわかりませんよね?まずは機器の特性を知る以前に、エネルギーの特性を理解することが必須です。

ある程度、酒井医療さん、TherapistCampさんのセミナーに参加されている方はエネルギーの理解はできたと思います。基本的なことがわかっていればそれで十分です。

で、理解できた上でそこからが大事なんです。


■どこに■

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膝の痛みがある患者さんがいます。そこで判断しなければならないのは

・何が
・どうして
・どのようにして
・なぜ

を考える事です。

結局、その症状が何なのかを判断する必要があります。

で、直達外力による外傷だったら、組織修復を促すことを前提に施術を行っていくと思います。スポーツ障害のような繰り返し動作であれば

「修復を促す+動作を見る」

ことをしなければなりませんよね?

外傷と障害を混同しないでくださいね。

まずは状態を判断する

そして、判断できたらどこに当てるかが大事です。


修復を促すために当てるのか、筋肉を弛緩させるために当てるのか。それによって当てる場所も当然変わってきます。

何を狙うか、それがどこに当てるかというお話。

筋肉なのか、骨なのか、靭帯なのか、半月板なのか、神経なのか、皮膚なのか、脂肪なのか、関節包なのか、滑膜なのか、筋膜なのか、他の内臓なのか。

目的がわからないと、どこに当てるかなんて、判断できませんよね。


膝だからこの形ー!!!

首だからこの形ー!!!


もうやめましょうよ。そういう判断。


判断というか、パターンにはめ込んでいるだけでしょ。そういうことをしていると

物療効かないジャーン!!

ってなります。そうなってません?


狙いたい組織に的確に当てるためには、まずはその組織がどういう形状になっていて、どのような特性があるのかを理解する必要があります。

これは、「解剖学・生理学」です。

この部分に関しては学校で習っているもので、必要最低限足りると思います。足りない部分は臨床や本や人に聞きながら少しずつ習得していけば良いと思います。

結局、いくら物理療法の知識があろうが、解剖学・生理学がしっかりと理解できていなければ効果は半減どころか、全く出ない状況にもなりかねません。

物理療法は様々なエネルギーを使用して、物理的に組織にアプローチする事が目的です。

よって、解剖学・生理学は物理療法を行う上で、最低限必要な知識です。

学生はこの解剖学・生理学を学校でしっかりと勉強していれば、そこに物理療法の知識をチョットプラスするだけで、すぐに現場で役に立つスキルとして十分に活用できます。

これは本当に大きなアドバンテージです。

■どうやって■

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はい。どうやって。「どーなってるの?」って番組が昔ありましたね。知らない方はスルーして下さい。

判断、評価、検査などをして、症状を特定できたら、どこに当てるかを決めることができました。

次に、その狙っている部位にどうやって当てるのかを考えます。

ここは解剖学の理解がものすごく重要になってきますよね。(正直、僕もまだまだ解剖学の知識は乏しいと感じています。そのあたりは理学療法士の先生方にも勉強させていただきながら、日々解剖学の知識をアップデートしていっています。)

傷害部位がどこなのかが判断できたら、どうやってその部分に到達させるかが重要です。

関節だったら、筋肉だったら、骨だったら。

どの様に通電するのか。どうやって通電するのか、どうすれば届くのか。本当に届いているのか。


これをよく考えて下さい。

例えば、検査や評価を行った上で、関節半月の損傷があると仮定しましょう。

その際に、どのようにそこにエネルギーを届かせるか?をイメージします。

・超音波が良いのか
・低周波が良いのか
・微弱電流が良いのか
・ラジオ波が良いのか
・光線治療器が良いのか

などなど。考えられることはたくさんあります。半月板が損傷していたとして、

・あなたは何のエネルギーを選択しますか?
・それは何故ですか?
・すぐに答えられますか?

これがパッっとできない人は、どうやって?がまだイメージできていない状況でしょう。なんとなく、でエネルギーを選択しませんか?

■どのぐらい■

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強さの問題です。どのぐらいの負荷、周波数、電量を流すべきなのかを考えます。干渉波だったら搬送周波数と治療周波数が異なりましたよね。それが理解できていても、結局どの程度なら効果があるのか…

どのぐらいの強さ流せるのか。

あなたは経験あると思います。


ちょっとしか電気流していないのに


イテテテテテ!!!!!!


となっている患者さん。いませんか?

では、その患者さんに対して、◯◯Hzで◯◯mA通電したいとしましょう。

流せますか?って話。


エネルギーの勉強はしました。効果も理解しました。解剖学もバッチリです。


…でも使えない患者さんがいるんです。

だって、電気流すと痛いんだもん。


そういう患者さんがいる時に、あなたはどうしますか?どうしたほうが良いですか?どうすべきですか?

その辺もよく考えましょう。


「強いほうが効きますからーー!!!!」


で通電したら、その患者さんどう思います?

嫌だと言っているのに肘押しされてアザだらけの状態と何ら変わりませんよ。

その辺もよく考えて強度を使いましょうね。

何で全部教えてくれないのよって思いますか?


それはあなたに、考えてもらいたいからです。


正直、答えはありません。

答えが決まっているのであれば、教科書になり、スタンダードになり、患者さんに簡単に提供できる環境になっているでしょう。

物理療法はまだまだよくわかっていない部分が非常に多い分野です。

あなたの思考、発想により、もっと多くの活用方法が見つかるかもしれません。そんな分野に特化して勉強するのは、面白いと思いませんか?

まずは基礎から学びましょう!!

物理療法の基礎理論〜電療〜
https://therapistcamp.com/sukumane/page/detail/145




■どこまで■

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電気の通電の長さってある程度決まっていると思います。効果を考えての話しですよね。

でも、接骨院だと、とりあえずの時間稼ぎでかけられちゃっているパターンもあるんですよね。実際問題。

でもですよ?効果があるんだったらちゃんと時間かけて流すべきだと思いませんか?

だから、設定とか周波数とかを理解しなければならないということです。


で、時間がながければいいのか、短いほうがいいのかと言うのはあくまでも狙っている効果がどの設定か、を理解する必要があります。

そして、患者さんに対してその説明もしっかりと行わないといけませんよね。

どこまでの時間が必要なのか、不要なのか、その説明をどの様に行うのか。をよーーーーーく考えましょう。

当てる時間等、ちょっとした「リソース」についてイメージするための記事です。こちらも読んでみてください!

少ないリソースで腱鞘炎に挑む
https://therapistcamp.com/sukumane/page/detail/146


【無料部分のまとめ】

物理療法は凄いんです。いろんな事ができます。可能性はメチャクチャあります。ただし、その可能性を引き出すかどうかはあなたの思考次第です。思考と言っても、そんなに難しいことではありません。


機械自体に何ができて
あなた自身に何ができて
患者さん自身がどこまで受けれるのか


これだけです。でも、この思考がない状態で物療やると、絶対に失敗します。せっかくいい情報をセミナーで受講しているのであれば、言われたことをそのままやるのもそうですけど、一度考えることをおすすめします。

手よりも簡単に様々な効果が出せる(可能性がある)のが物理療法です。しかし、その手法を間違った認識で、考えずにそのまま患者さんに提供することだけはやめていただきたい。

ましてや、患者さんにいきなりズドンと電気を当てるなど、もってのほかです。

故意に怪我をさせるぐらい物理療法を使用できる様になるのが、一番理解が進んでいる状態だと僕は考えています。しかし、それは絶対にやってはいけないこと。

安全、かつ、より一層効果が出るやり方は必ずあります。ダメだったときはその選択肢自体が間違っています。

何でも出来る
けどできないこともある。

この認識を忘れない様に、常に考えて物理療法を使って下さい。

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本題へ

ここまでが、以前まで公開していた記事です。

#リアル物理療法マガジン を購読している先生でも読んでなかった方がいるのでは?と思い、再度、この様な形で公開させていたただきました。

これからが本題です。

物理療法を行うにあたって考えなければならない事について。整理したいと思います。


今回の記事は

「患者さんが考える電気治療のイメージ」

です。言葉として、正しくは電流療法なのでしょうが、患者さんは電気治療と捉えています。

つまり、


電気をかければ治ると解釈しています。


これは、術者側も勘違いしてしまっている部分でもあると思いますが、治しているのは電気の作用によって、ではありませんよね?

あくまでも、患者さん自身の治癒力によって治っていると解釈するのが正しいと思います。

よって、「この電気かけていれば治りますから!」と、


大きな声で言えるのでしょうか?

そんな無責任な発言はできるのでしょうか?


実際に現場で起こっているであろう事実と、それに対する対処(対策)をまとめたいと思います。それに関して、提供できる情報を、まとめていきます。


実際に現場で起こっていること、患者さんに起こっていることを考えると、このあたりはそろそろ、イメージを変えていったほうが良いのではないか?と言うのが僕の思いです。

一般的に言われている病院や接骨院での「電気」

これに関しては、ほぼ低周波か干渉波治療器が多いのではないでしょうか?

電流療法を利用して整形外科や整骨院でいわゆる「電療」を行う場合にはほとんどこれを使っているでしょう。

よく術者側からも言われてしまうのが

「時間稼ぎ」

というイメージです。」

患者さん自身にも、こういう経験がが積もり積もって、

意味がない

と思われてしまう要因なのではないでしょうか?


初診の患者さんに、たまに言われてしまうこと

初診で来た患者さんに物理療法(主に電気治療)を行おうとすると

「前にも別の院でやって、効かなかったからやらなくていい!」

と言われた経験は、あなたはアリませんか?


僕はメチャクチャありますw


はっきり言って、これは説明不足でしか無いと思っています。

こういうイメージが蔓延してしまうと、物理療法機器の立ち位置が、ドンドン肩身の狭いポジションに追いやられてしまうと思います。


✔特に何も説明がなくただ単純に電気を当てられている
✔毎回同じところに同じ種類の電気を当てているが全く変化がない
✔電気が苦手なのに我慢して受け続けている
✔痛いところにつければ何でも治ると思っている
✔とにかく、強いほうが効くと思っている
✔電気をかけられていても無駄だと感じている

などなど。色んな思いが患者さん側にはあります。


僕はこの中でも

「何の意味があって電気を当てているのかがわからない」

と感じている患者さんの多さがいることです。

そして、それに対して何の対策もしないで「当たり前」に「何も考えず」「いつもどおり」に電気を当てている術者側の責任は、相当重いと思います。



正直、物理療法でできることは限られています。



それを理解し、説明をしっかりと行うことで

物理療法を行っている「意味」を患者さんにしっかりと理解して貰う必要があります。

そうでないと、物理療法が必要無いものと認識されてしまってもおかしくありません。


そうなると、損するのは患者さん側です。

この記事では患者さん自身がイメージしやすい治療器についての説明について、解説というか提案をしていきたいと思います。

その前に、話を整理していきましょう。



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