キーワードから紐解く物療
と、題して物療でよく聞くけどイマイチ理解できていないキーワードを簡単に学んでいきましょう。
今回は「アルントシュルツの法則」です。
様々なテキストで「アルントシュルツの法則」という表記や、「プリューゲル・アルントシュルツの刺激法則」と言い方がマチマチですが、同じものと捉えていただいてOKです。
ウィキペディアからの引用ですが、プリューゲル・アルントシュルツの刺激法則とは、刺激の強度と神経や筋の興奮性について述べた法則である。
とのことです。
よく、物理療法では
「強いほうが効くんでしょ?」
とか、
「熱いほうが効くんでしょ?」
と言った事がよく言われますが、
そういうものではない
ということをまず理解しましょう。
プリューゲル・アルントシュルツの刺激法則は
弱い刺激をすることで神経機能を喚起し
中程度の刺激で神経を興奮させ
強い刺激は神経機能を抑制し
最強度の刺激で静止する
という法則です。
刺激の強度により、効果が異なるということを理解しなければ、狙った効果を得ることが出来ません。
例えば、組織を修復したい時期に、闇雲に強い刺激ばかり与えていては
逆効果になってしまうことも考えられるのです。
キーワードだけ抜き取るとこんなイメージ。
「奮い起こす」と「促進」は弱と中で分かれていますが、その境目は正直曖昧だと思います。
ただ、強い刺激の抑制と、最強刺激の停止は明確な違いがあると思っています。それは「痛み」として感じるかどうかです。
例えば、微弱電流治療器などの全く刺激を感じないものは「弱」と考えるのが自然です。神経や筋を興奮させるという意味では「わずかに感じる」という程度でも効果が出ることも多くあります。
中程度の刺激は、よくある「心地よい刺激」と言われる程度のものを指すと考えれば良いと思います。
この「心地よい」という感覚は、人によっては「くすぐったい」や「気持ち悪い」と感じてしまう場合もあります。その際には「痛みや不快に感じない程度でOKです。」と伝えればOKです。
ただし、くすぐったさ=不快に感じる方は、刺激強度もそうですが、そもそもそのエネルギーが向いていない可能性もありますので注意が必要です。
強という刺激は「痛みとして感じない、我慢できる範囲」の刺激量です。
要は、強刺激と最強刺激は「痛みがあるかないか」で考えれば良いと思います。
電気の強さってどれぐらいがいいですか?
この質問に関しては、患者さんの状態によって選択する刺激量が変わります。
痛みを抑えたい時と、組織修復を促したいときは刺激強度を変える必要が出てきます。
同時にそれぞれの効果を得たい場合もあるかも知れませんが、基本的にはどちらかを優先する考え方の方が良いです。
この刺激に関してはかなり奥が深く、微弱電流などは全く刺激を感じないのに様々な効果が出てしまうために判別が難しいことも起こってきます。
が、基本的には
弱い刺激は組織を喚起し
強い刺激は痛みを抑制する
という概念をまず覚えましょう。
言葉の意味をしっかりと理解できてくると
疼痛抑制
と
疼痛軽減
の違いもわかってくると思います。
が、この表現の認識が異なっている情報も多く出ていますので、惑わされないように注意して下さいね。
実はこの記事には続きがあります。
それが、こちら。
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