“キレイのその先”にある幸せを届ける。
地方の美容鍼灸院が見つめる、美容鍼の今と未来 Ver.1

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今回は、愛知県豊田市にあるたくろう鍼灸院の矢頭拓郎先生にインタビューを行なった。
たくろう鍼灸院は入った時からお香の香りから始まり、非常にこだわりを感じる京都風鍼灸院である。そんな、鍼灸院を経営する拓郎先生に、美容鍼の現状や今後に関すること、そして開業するまでのお話を伺った。



_ _ 地方での美容鍼灸のあり方やキャリアについてのお話をお伺いできればと思っています。
よろしくお願いいたします。

たくろう先生
よろしくお願いします。
今日は、インタビューの記事を経て誰かの背中を押せたら嬉しいなと思っています!


_ _ 近年、美容鍼灸となると、美容専門ではなく体の施術に加えて行っている鍼灸院が多いと感じます。地方だと尚更その傾向が多い様に思います。
その中で、たくろう鍼灸院は地方で美容鍼をメインにされており、とても珍しいと思います。
以前、治療を受けさせていただいた際も京都風の作りで雰囲気もよく、とても居心地のいい鍼灸院だったことを鮮明に覚えています。


開業前のキャリアで得た鍼灸院での経験


_ _ 開業される際にたくさんの苦労や困ったことなどもあると思うのですが、開業するまでに経験しておいて良かったことや経験しておくべきことについて教えてください。

たくろう先生
僕のキャリアとして、最初は実家から通えることを理由に鍼灸接骨院で働きました。
そこで、「鍼が打てる」と思っていたのですが、鍼灸接骨院だったので1回の料金が安かったり、想像していた鍼を打てる環境ではなかったので、将来の開業につながらないと考え3ヶ月くらいでやめてしまいました。その後、友人の紹介で鍼灸院で働くことになったのですが、そこの鍼灸院は1日に50~60人の患者さんがくるような鍼灸院でした。そこでは気づけば12年間、働いていました。そのおかげで、たくろう鍼灸院も1日に40人くらいのお客様が来院されますが平気で回せるようになっています。ただ働いていた鍼灸院には美容のメニューはなかったので職場を後にしてから美容の武器を手に入れました。

このような経験から、将来開業したいのであれば整骨院だけでなく鍼灸院で働く経験も積むことが必要だと思っています。自分が目指したい将来から逆算していくことが、とても必要になるかなと思います。本当にやりたいことが明確ならその時はお金にこだわる必要はないかなと思います。


_ _ 鍼灸接骨院ではなく鍼灸院で50~60人来院されるのはとてもすごいですね!
確かにキャリアを考える上で逆算する力はとても必要になって来ますよね。
まずは自分のやりたい事や目指したい鍼灸師像をイメージすることが大切になってきますよね。でもそれを学生のうちからできる環境もなかなかないような気がしますね。

たくろう先生
もうひとつ大切なことがスモールスタートかなと思います。
今のたくろう鍼灸院を作る前に往診からスタートしました。でも、往診は移動時間が必要だったりとても効率が悪かったので、実家の自分の部屋を使って自宅開業をしました。
看板もないし、お客様が来る度に下まで降りて、駐車場の案内からしていました笑
実家での開業で売り上げが150万になったことをきっかけに開業する決断になりました。


_ _ 自宅で150万は本当にすごいことですよね。
実際に、それくらいできるんだぞって、学生や若手の鍼灸師の先生にも伝えて欲しいです笑

たくろう先生
鍼灸業界だけでなく他の業界の仕事をやってみる事もとても大切になってくると思います。鍼灸って
究極の接客業なので、人間力がとっても大切なので他の業種を通してコミュニケーションを学ぶ事も必要になってきます。実際に大学の同期でも、今鍼灸師続けている人は学力が高いとは言えない人が多いんですよね。でも、それってたくさん遊んでいた人の方が、人間力があり人とのコミュニケーションが上手なんですよね。


_ _ 僕の同期もとても頭良かった人の方が仕事やめようか悩んでたり、仕事辞めた人もいます(笑)滑り込みで国家試験合格した人の方が売り上げ作れてたり、営業成績が良かったりしてるんですよね(笑)学生の時から、接骨院で働くのもいいですがもっと他の業界の仕事をすることで、コミュニケーション力が身につきますよね。


鍼灸業界以外から学ぶ必要性

たくろう先生:
他の業界をみる事はとても大切で、僕がアンテナ張っているのも業界外ばっかりなんですよね。僕の鍼灸院のメニューとかも他の業種を参考にして名前つけたりしています。


_ _ 例えばどのような業種を参考にしたりしてますか?

たくろう先生:
僕はいつも21時には就寝し、朝にスポーツジムでテレビ東京のアプリを使ってカンブリア宮殿やワールドビジネスサテライトを2倍速で必ず見るようにしています。
世の中の情勢を見たり、他の業種を見る事はとても大切だと思います。


_ _ 僕も学生時代に飲食店とIT系の会社でインターンしたりしていたので、その時に学ぶ事はたくさんありました。
常連さんの仕事の話やその業界の話、たくさんのことを学ばせていただいてました。IT系のところでは、鍼灸業界に足りていないデジタル化の部分であるとか発信の仕方を学ばせてもらいましたね。

たくろう先生:
売れる鍼灸師になるには、技術からマーケティングなどまで本当に幅広くできないといけないから、そういったところまで学べる鍼灸院があるなら最高だし、そんな場所に学生さんには就職して欲しいですよね。なので、僕は社員のみんなに全力で教えるし、吸収したいと思ってもらいたいです。
その延長でいうと、就職するなら社長と触れ合える環境の方がいいです。触れ合うことで成長のスピード感が違ったりするので、それが中小企業ならではの良さですよね。


_ _ 僕も仕事をする中で様々な方とお話する機会がありますが、考え方など学べることはとても多いです。ここでもコミュニケーション能力は必要になってきますね。


鍼灸業界の魅力と今後の可能性

たくろう先生:
開業した時と比べると”美容鍼”の認知がとても上がってきていることを感じます。
来てくれた患者さんに検索ワードを聞くことが多いけど、今までは「たるみ」とか「シワ」だったのが「美容鍼」に変わってきましたね。美容鍼を求めて来てくださる方が増えましたね。あと、ホットペッパービューティーが入ってきたのは認められた瞬間だったかなと思いますよね。

美容整形も最近では簡単にできる様にになってきたけど、来てくれる方は
「キレイにはなりたいけど美容整形はしたくない」と言う方がとても多いし、そのような方に美容鍼灸はとてもいい手段だなと思います。

_ _ 美容鍼で来た人に体のケアの大切さを知ってもらい体の施術を受けてくれる様な流れが作れると今後の業界の事も考えると完璧ですよね。

たくろう先生:
そうなんですよね。体の鍼は怖いけど、キレイになれるなら顔の鍼ならできる方は多くて、鍼してみると意外と大丈夫とのことで体の鍼を受ける方はとっても多くいますね。
だから、美容鍼は鍼灸院の入口としてとてもいい技術だなと思います。
まだまだ伸び代があります!

_ _ 確かに、身体の鍼をやりたくても怖い人にとっての入口としてはとてもいい技術になりますよね。若い人も美容鍼を求めて来院して、身体のケアの大切さを知ってもらえるのはとてもいいですよね。

たくろう先生:
うちは今、顔に鍼してLEDのライト当てたりしてるけど、最新の技術と掛け合わせることは大切になってきますよね。だから、ビューティーワールドとかでトレンドを知らないといけないと思います。僕のやっている美容鍼でお客さんは「すごい」って言ってくれるけど、アップデートは必要ですよね。現状維持は衰退なので。

_ _ 芸能人の方もたくさんの方がSNSにあげてたりするので、鍼の怖いイメージがなければもっとたくさんの人が施術受けたい方はとても多くなりそうですよね。

たくろう先生:
でも、最近はその抵抗感も下がってはいると思うんですよね。
SNSを通して知っている人も増えてきてはいますし。
昔の先生方からすると不本意かもしれないですが笑
だからこそ、鍼灸院が鍼灸院の様に見せない努力というのが今後必要なのかなとも思います。


(次回に続く 次回は7月14日)
取材:Therapist Camp  元木 いお


プロフィール

矢頭 拓郎


明治鍼灸大学卒業(現 明治国際医療大学)

はり師 第131067号

きゅう師 第130907号

鍼灸学士

・マタニティケア鍼灸師 認定
・レディース予防医学指導士 認定


たくろう鍼灸院 HP
https://takuro-shinkyu.com/

たくろう鍼灸院 Instagram
https://www.instagram.com/takuro_shinkyu/

矢頭 たくろう 先生  Instagram
https://www.instagram.com/takuro_hannari/


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